平成30年度第2回キャリア研修会を開催しました。

 当協会では、平成30年12月2日(日)に万代市民会館において、小倉泰憲先生に講師としておいでいただき、「サビカスCCI(キャリア構成インタビュー)によるカウンセリング」をテーマとし、キャリア研修会を開催いたしました。
 最近、サビカス、CCI、ナラティブアプローチなどの言葉を耳にするものの、実践的に
学ぶ機会がなかなかありませんが、当日は、小倉先生がご用意くださった素晴らしい資料に沿った密度の濃い研修となりました。
 山田理事長の挨拶に続き、西條事務局長による小倉先生のご紹介の後、研修がスタートしました。

 理系の大学院をご卒業後、企業の研究所の技術者として勤務された先生がなぜその後、修士(カウンセリング)の学位を取得されたのか、50歳の時にエンジニアを続けようか、他の道を探そうかという転機を迎えられたことなど率直な自己開示を交えながら自己紹介いただき、最初からお話に引き込まれました。
 先生が示された研修のねらいは、「CCI(キャリア
構成インタビュー)の手法をキャリア・カウンセリングに用いることができるようになる。」というものであり、CCIの概要、CCI実施(研修参加者がCLという想定のペアでの演習)、ライフ・ポートレート作成(CCIの結果から作成)の順に進められました。

 研修参加者がCLという想定のペアで実施したCCI(Career Construction Interview)
では、エントリー・クエスチョンを始め、「ロールモデル(子どもの頃あこがれた人、模範となった人)」、「今、好きな雑誌、よく読む雑誌、TV・WEBサイト」などの用意された質問にCLが答えることで自分自身のライフストーリーを整理し、それを基にしてライフ・テーマを考えてみました。
 そして、CCIの結果からキャリア・テーマを含む自分の全体的な物語(ライフ・ポートレート)を作成しました。
 実践するなかで、実際のキャリア・カウンセリングで用いることができるようになるための理解が進みました。インタビューし、CLから語っていただくというナラティブアプローチで進んでいくことを実感するとともに、自らがCL役となることにより、幼少の頃に思いを馳せ、自分の台本を考えてみる機会にもなりました。

 終始、誠実で穏やかで、にこやかな先生からは、インタビューで使用する質問用紙まで惜しみなく与えていただくなど、実際のキャリア・カウンセリングで使えるよう、随所に温かいご配慮をいただきました。
 さらに、昨年7月に先生が参加されたアメリカでの「CAREER CONSTRUCTION INSTITUTE」の様子もご紹介いただき、サビカス先生は韻を踏むのがお好きであることや、お茶目な一面など、ご一緒したからこそ知り得たエピソードもご披露いただきました。

 参加された皆さんからのアンケートでは、「書籍では分からなかった、実際に使うときのことがイメージできた。」、「最近話題になっている内容だったので、東京まで行かずに学ぶ機会があってありがたかった。」、「CCIの概要を理解できてよかった。自分の捉われを理解でき、スッとした。」、「ライフ・ポートレート、とても腑に落ちた。今までの人生の答え合わせ、これからの指針となった。」などのご感想をいただき、満足度が高かったという結果でした。

 

 12月の新潟には珍しく雲一つない青空が広がる絶好の行楽日和の午後、CCIを実践的に学ぶとともに、自分自身に向き合うこともできた“一粒で二度おいしい”研修であり、新潟でCCI実践者が増えていくスタートラインに立った日とも言えるかもしれません。

 当協会では、研修会を始め、今後も会員相互の交流や研鑽の機会の充実に努めていきたいと考えております。皆さまのご参加をお待ちしております。