令和3年度第2回キャリア研修会を開催しました。

 2021年10月10日(日)に、神奈川大学人間科学部教授・大学院人間科学研究科委員長・心理相談センター所長 杉山 崇先生を講師にお招きし、web会議システム(Zoom)で第2回キャリア研修会を開催しました。

 今回の研修会は、「キャリア支援と相談活動に活かす、発達障害の心理科学的理解と対応」をテーマに杉山先生からご講義いただきました。
 発達障害は脳の使い方の特性で社会の予定調和にうまく乗れないことで、周囲と不和やトラブル、不理解という「障害」がおこりやすいことが問題であり、周囲の人達の理解が何よりも重要であるとのことでした。発達障害は「発達」の「障害」ではなく「脳」の「特性」による「個性」であり、彼らの「個性」を周囲が理解し「個性」を活かせる場を適切に提供できることが望ましいと感じました。また、アセスメントとして「脳傾向スタイル診断」の紹介があり、実際に会社等で活用されて効果が得られているというお話も興味深かったです。脳の特性を活かした組織作りは、ヒーロー戦隊ゴレンジャーのようにお互いの弱さを補いあえる最強の組織になれるはず!とのことでした。
 研修は、先生のご講義を中心に数回のブレイクアウトセッションを行い、各セッション終了後にグループで出された話題や疑問点等を発表しました。発表を通じて受講者の皆さんの現場でのご苦労や現状を把握することで、今後の発達障害の方への対応の参考になり大変有意義なものとなりました。また、どちらの現場でも診断を受けていないグレーゾーンの方との対応が実は一番難しいといった意見も出されました。
 
 アンケートの満足度も、5点満点評価で受講者全員が満点という非常に高い評価を得ました。また、コメントでも「切り口が論理的で理解の整理ができました。今後の支援に活かします。」「発達障害というと、診断基準の詳しい説明から特性を理解したつもりになっていました。今回、診断基準は二次障害であって、その根本の能の働きから考えることができたのが大きかったです。」「仕事に直結している研修内容でしたので、大変ためになりました。」などの感想をいただきました。

 杉山先生の研修はユーモア溢れる話題や先生の飾らないお人柄のおかげで、終始和やかな雰囲気で楽しく拝聴することが出来ました。受講者の皆さんからも、次回は実践的な内容で続編を開催して欲しいとの意見が多数寄せられました。先生も新潟の日本酒をこよなく愛していらっしゃるとのことでしたので、次回、対面での開催が実現した暁には懇親会にて皆さんと美味しい日本酒を酌み交わせられるよう願っております。

 当協会では、研修会を始め、今後も会員相互の交流や研鑽の機会の充実に努めていきたいと考えております。皆さまのご参加をお待ちしております。

最後に参加した皆さんで画面ショットを撮りました。
(注)ぼかしをかけてあります。